以下の症状に該当する方は要注意です!
- 食後に胸が焼けるように熱く感じる
- 横になると胸が焼けるように熱く感じる
- 口の中が苦い感じがする
- いつまでも咳が治らない
- 胸焼け、咳、口の苦味などの症状は朝起きた時に多い
- 食後によく胃がもたれる
逆流性食道炎(胃食道逆流症)とは
胃酸を含む胃の内容物が食道に逆流して、胸焼けや呑酸(酸っぱいものが上がってくる感じ)などの症状を起こす病気です。食道粘膜にただれがあるびらん性胃食道逆流症と、症状があってもただれのない非びらん性胃食道逆流症に分けられます。また、びらん性胃食道逆流症には自覚症状を起こさないケースも存在します。 逆流性食道炎は10人に1~2人程度がなるとされていて、高齢化と食生活の欧米化によって患者数は増加傾向にあります。
逆流性食道炎の主な症状
- 胸焼け
- のどがヒリヒリするなどの違和感
- 飲み込みにくさ・つかえ
- 酸っぱいものが上がってくる呑酸
- ゲップが増えた
- みぞおちの痛みや不快感
- 膨満感や食後の胃もたれ
- すぐお腹いっぱいになってしまう
- 長引くせき
- めまい など
こうした症状がある場合、逆流性食道炎が疑われます。食道は炎症が長期間続くとがん化するリスクが高くなってしまうため、早めにご相談ください。
逆流性食道炎の原因
胃酸は食物や口から入ってきた細菌を溶かしてしまうほど強力な酸性ですが、胃粘膜は粘液で守られているため胃酸によるダメージを受けません。ところが、食道粘膜にはこうした防御機能がないため、逆流によって大きなダメージを受けてしまいます。健康な方は逆流を防ぐ仕組みがしっかり働いており、逆流が起きても蠕動運動ですぐに胃に戻されるため食道粘膜に大きなダメージが残ることはほとんどありません。
胃と食道の間を締め付ける筋肉の働きが衰える、肥満・衣類の締め付け・猫背などによって腹圧が上がって逆流を起こしやすくなる、脂肪の多い食事で胃酸分泌が増えるなどの要因が影響して逆流が頻繁に起こり、蠕動運動が弱くなって逆流したものがなかなか戻らなくなることなどにより逆流性食道炎が発症します。
逆流性食道炎の治療
逆流性食道炎は、不快な症状が続いてQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させてしまう病気です。また生活習慣によって再発しやすく、長期間、食道粘膜の炎症が続くとがん化するリスクが上昇してしまいます。症状自体は適切な処方で比較的短期間に解消できますが、炎症がきれいに治るまでには、しばらく時間がかかるため、医師の指示を守って服薬を続けることが重要です。
逆流性食道炎が疑われる症状で受診された場合、当院では苦痛なく楽に受けられる胃カメラ検査で食道粘膜の状態や胃と食道の境目などの状態をしっかり確認した上で、適切な治療を行っています。処方するお薬は主に、胃酸分泌抑制薬、胃酸中和薬、そして胃や食道の動きを改善する薬などです。また、生活習慣の改善は再発防止にも大きく役立つため、患者様にアドバイスもしています。
生活習慣改善による再発予防
逆流性食道炎の原因には生活習慣が大きくかかわっているため、生活習慣を改善することで再発や症状悪化の予防につながります。
食生活
食べ過ぎや就寝前の食事、高脂肪食は逆流の大きなリスクになります。また、飲酒は筋肉をゆるませてしまうため、逆流を起こしやすくします。特に就寝前の飲酒は控えましょう。
また、胃酸分泌を促すチョコレート、コーヒー、炭酸飲料、柑橘類などはできるだけ避けてください。喫煙も胸焼けや食道の炎症のリスク要因ですので、禁煙・節煙を心がけてください。
日常生活
腹圧が上がると胃の内容物が押し出されて逆流を起こしやすくなってしまいます。肥満によって胃が圧迫されている場合には、減量によって症状が改善します。また、締め付ける衣類、猫背などの姿勢も腹圧を上昇させて逆流性食道炎のリスクになります。
就寝時
逆流性食道炎では、横になると、のどのつかえやせきなどに悩まされるケースがあります。こうした場合には、左側を下にして横になるか、クッションなどをあてがって上半身を少し高くすると逆流を起こしにくくなります。