内科について
当院の内科では、急な発熱、せき、のどの痛み、たん、頭痛、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、血便、めまいなどの急性症状から、生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)をはじめとする慢性疾患まで幅広い内科の各種疾患を診療しています。
また、「なんとなく不調」「どの診療科を受診したらいいかわからない」「検査では異常がないと言われたけれど調子が悪い」「健康診断の結果が不安」「身近な人が病気になって自分も心配」など、病気や健康に関することでしたら、お気軽にご相談ください。
地域の『かかりつけ医』です
『かかりつけ医』は、日常的な急性疾患や慢性疾患の診療に加えて、健康不安や不調について気軽に相談できる相手であり、患者様のお身体の状態の変化やサインにいち早く気付くことができる身近な存在です。当院では、皆様が安心しご相談いただけるよう、患者様に寄り添ったプライマリケア(初期診療)を行うことで、地域の方の『かかりつけ医』になりたいと考えています。不調になった時に、ほとんどの方が「内科」をまず受診されます。そのため、当院では内科だけでなく幅広い診療科領域の疾患を考慮しながら診察し、必要がある場合には適切な専門診療科がある連携医療機関をご紹介して、患者様がいつでも最適な医療をスムーズに受けられるようにしています。
診療ではコミュニケーションを大事にして、わかりやすいご説明を行っていますので、気になることがありましたら遠慮なくご質問ください。
生活習慣病について
糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)といった生活習慣病は、一般的な健康診断でも必ずチェックされます。これほど重大視されているのは、こうした生活習慣病がほとんど症状なく動脈硬化を進ませてしまい、放置していると突然死や重篤な症状を残す可能性がある心筋梗塞や脳卒中などを起こすリスクを高めてしまうからです。特に、内臓脂肪が多く、複数の生活習慣病があるメタボリックシンドロームでは、それぞれが軽度でも動脈硬化の進行がとても速くなってしまうことがわかっているため、近年ではそのチェックも重視されています。
主な原因は小さな不摂生の積み重ね
ほとんどの生活習慣病は、運動不足や過食、肥満といった小さな不摂生が長年にわたって積み重なって発症します。そして、原因が共通しているため、複数の生活習慣病を発症するケースもかなり多いのです。逆に言えば、こうした不摂生を改善することで、進行予防や状態の改善が可能で、同じ原因で発症・悪化するため、生活習慣の改善で複数の生活習慣病の進行予防や改善も可能になります。こうしたことから、生活習慣病の治療は基本的に食事療法と運動療法が中心になります。もちろん、動脈硬化を進ませないことが重要ですので、状態によっては薬物療法が必要になりますが、それでも食事療法や運動療法は欠かせません。健康寿命を延ばし、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を守るためにも、生活習慣の改善をしっかり続けましょう。
高血圧
日本の40~74歳では、男性で約6割、女性は約4割が高血圧とされています。血圧は起床してしばらくは高めですが、夜には低くなるといった傾向があり、緊張やストレス、リラックスなどによって大きく上下します。1回血圧を測って高い数値が出たから高血圧というわけではなく、高い血圧が続いていることが大きな問題になります。
高血圧は、血圧が高い状態が維持されて、動脈の血管壁に大きな負担がかかり続けている状態です。高血圧が続くと動脈硬化が進み、血管の柔軟性が失われてさらに高血圧のダメージを受けやすくなってしまいます。また、高い血圧で血液を押し出す心臓の疲弊も進みます。こうしたことから狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患の発症リスクが高くなってしまいます。高血圧や、それによって起こる動脈硬化も自覚症状に乏しいため、血圧が高めということに気付いたらできるだけ早く適切な治療を開始しましょう。
また、高血圧は腎臓にも大きな負担をかけます。腎臓には血液をろ過して老廃物を尿として排出するために毛細血管が集まっているため、高血圧によるダメージを受けやすいです。腎不全を起こして透析が必要な状態にならないためにも、血圧のコントロールは重要です。
高血圧になりやすいのは
遺伝的な因子があって、そこに肥満・喫煙・ストレス・過剰な塩分摂取・飲酒習慣・ストレス・糖尿病やその予備群などの生活習慣が重なると高血圧になりやすいとされています。また、高血圧全体の1割弱ですが、疾患の症状として高血圧が現れる2次性高血圧症もあります。
高血圧の治療
カロリー制限や減塩などの食事療法と、軽い運動の習慣化という運動療法が大切です。肥満がある場合にはそれを解消し、適正体重をキープします。薬物療法が必要な場合もありますが、作用や効果の異なる薬剤がたくさんありますので、状態やライフスタイル、体質などに合わせた処方が可能です。処方された薬は指示通りにきちんと飲むことが重要です。生活習慣の改善を続けることで状態が良くなってきたら、減薬も可能になり、お薬を飲む必要がなくなるケースもあります。血圧を下げるのは、動脈硬化を進行させない、心臓や腎臓などへの負担を減らすといった重要な意味がありますので、しっかりコントロールしましょう。
脂質異常症
血液中には、コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)といった脂質が含まれています。コレステロールには、悪玉のLDLコレステロールと善玉のHDLコレステロールがあります。脂質異常症には中性脂肪が多い高トリグリセライド血症と悪玉のLDLコレステロールが多い高LDLコレステロール血症という2種類の高脂血症、そして善玉のHDLコレステロールが少ない低HDLコレステロール血症があります。
脂質異常症と動脈硬化
動脈は心臓から送り出された血液が流れる血管です。動脈硬化は動脈の血管壁が硬く、もろくなってしまうことで、高血圧と脂質異常症がその発症や進行に大きく関わっています。
動脈硬化は、血管壁の小さな傷に悪玉のLDLコレステロールが入り込んで有害な酸化LDLになることがきっかけとなって発症します。酸化LDLが増え過ぎると免疫細胞のマクロファージが処理しきれずにプラークとなって血管内に沈着します。これによって血管が狭窄して血管壁が高い圧力を受け続け、同時に線維化も起こって動脈硬化が進行します。また、高血圧も血管壁に大きな負担をかけ続けるため動脈硬化が進行します。硬くなって柔軟性が失われた動脈はもろくなり、脂質異常症によって沈着したプラークは血管の狭窄につながり、さらにプラークが破裂すると血栓ができて血管が詰まる閉塞を起こします。こうしたことから脂質異常症があると、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳卒中の発症リスクが大幅に上がってしまいます。
脂質異常症の治療
肥満を解消して適正体重をキープすることが重要です。栄養バランスがとれた食事と適度な運動習慣、禁煙、節酒・禁酒など、生活習慣の改善を行い、必要な場合には薬物療法を行います。定期的に血液検査を受けて、しっかりコントロールしていきましょう。
高尿酸血症(痛風)
血液中の尿酸値が高い状態が続くのが高尿酸血症です。痛風発作は血液中の過剰な尿酸が鋭い針状に結晶化して関節にたまり、それが炎症を起こしている状態です。また、高尿酸血症は尿管結石の発症リスクを上昇させ、腎臓にもダメージを与え、動脈硬化を進行させるため、心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクも上昇します。尿酸値が高くても痛風発作を起こさない場合もありますので、痛風発作を起こしたことがなくても治療が必要です。
高尿酸血症は、生活習慣の改善と適切な薬物療法で治すことができますが、数値が改善しても体内にたまった尿酸結晶が溶けるまでには時間がかかるため、しっかり治療を続けましょう。
なお、痛風発作が起きている間は痛みを緩和する治療は行いますが、尿酸値を下げる治療は状態が落ち着いてからとなります。
内臓脂肪と高尿酸血症
痛風がプリン体と関係があることは一般的にも知られていますが、プリン体の代謝を過剰にして尿酸を作り過ぎてしまう原因となっているのは蓄積した内臓脂肪です。日本の高尿酸血症患者数は500万人以上であり、その7割はメタボリックシンドロームとされています。
再発しないための予防
高尿酸血症の原因となる内臓脂肪をためないよう、カロリー制限で適正な体重をキープします。尿酸値上昇につながるアルコール摂取を控え、プリン体の多いレバーや魚卵などをできるだけとらないように心がけましょう。また、尿酸排出を促すために、水分をしっかりとるようにしましょう。