下痢

当院では、下痢の治療に対応しております。
水分の多い便が何度も排泄される状態を「下痢」といいます。発熱や腹痛も併発する下痢もあれば、下痢のみの場合もあります。誰もが一度は人生の間で、下痢にかかった経験があるかと思います。短期間で終わる下痢でしたら心配はいりませんが、下痢が長引いている場合は日常に支障をきたします。また、下痢が治らない場合は、何らかの疾患が隠れている可能性があります。

このような方は医療機関にお問い合わせください

  • 尿の量が少ない
  • のどが渇きやすい(脱水症状)
  • 下痢に血液らしきものが混じっている
  • 下痢が長期間(3週間~数か月)続いている
  • トイレから出られないほど下痢が止まらない
  • 食後、激しい下痢が起きた
  • 排便後もすっきりせず、腹痛が続く
  • 高熱と強い腹痛を伴う下痢
  • 下痢と嘔吐・吐き気がある
  • 便が粘っこい

下痢の種類

急性下痢症について

急性の下痢は感染によるものが多く、原因としては細菌やウイルスが多いとされています。比較的短期間で完治することが多く、軽症であれば整腸剤の対症療法のみで治るとされています。しかし、発熱や強い腹痛が起きている、吐き気・嘔吐がひどくて水分補給に支障をきたしている場合は医師による診断が必要です。速やかに当院までご相談ください。

感染性下痢症について

細菌性

サルモネラ菌やカンピロバクター、病原性大腸菌に感染することで、下痢が発生します。完全に加熱されていない鶏肉・豚肉や卵の摂取により、引き起こされる感染性腸炎です。一般的に、「食中毒」と呼ばれるものはこれを指します。また、「生肉を調理した包丁・まな板など調理器具の不十分な洗浄」や「洗浄が不十分な調理者が人や物に触れたこと」などが原因で発症します。血便や激しい水様便が多く見られるので、便の形や回数、血が混じっていないかを問診時でお聞きして、鑑別します。

ウイルス性

ノロウイルスやロタウイルスなど、ウイルスに感染することによって起きる下痢です。11月~3月に多く見られ、人から人へ感染するケースも多いです。特別な治療は行わなくても、自然治癒で回復します。しかし、乳幼児や高齢者の場合は抵抗力が弱い上に、「下痢による脱水症状」と「嘔吐物による窒息」が起きやすいので、気を付けてください。

慢性下痢症

下痢が3週間以上続く下痢を、「慢性下痢症」と定義されます。慢性下痢の頻度は全人口の約3%とされ、他の下痢より少ない傾向にあります。さらに細かく言いますと、浸透圧性下痢、分泌性下痢、滲出性下痢、蠕動運動性下痢などもあります。

下痢で疑われる病気

下痢が症状として現れる疾患は以下の通りです。「たかが下痢」と我慢せずに、当院までご相談ください。

  • 感染性胃腸炎
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • 過敏性腸症候群(IBS)
  • 慢性膵炎
  • 急性虫垂炎(盲腸)
  • 悪性リンパ腫
  • 虚血性腸炎
  • 自律神経失調症

など

検査ついて

検査は必要に応じて実施します。

  • 腹部エコー検査(超音波検査)
  • 血液検査
  • 尿検査
  • 便検査
  • 大腸カメラ検査

下痢の治療について

こまめな水分補給と消化の良い食事をすること

下痢が起きると、体内の水分とナトリウム、カリウムが短期間で失われやすくなります。そのため、こまめな水分補給が重要です。
水分補給時には水とスポーツドリンクを飲みましょう。ただしスポーツドリンクを大量に飲む場合は、そのままの状態ではなく少し水で薄め、塩をわずかに溶かした状態にしましょう。そして一気に飲むのではなく少量で、飲む回数を多くして飲むよう意識してください。
また食事では、消化の良い食べ物(おかゆ、重湯、よく煮込んだうどん、りんごのすりおろし、みそ汁など)を無理せず摂ってください。ラーメンや脂質の多い魚・肉、お酒、コーヒー、人工甘味料の含まれた菓子などは胃腸に負担がかかるので、避けてください。

投薬治療

下痢に用いられる薬は数多くあります。「腸の蠕動運動を正常化させる薬」や、「腸への刺激を抑える薬」「便の中の水分を吸い取って便を固める薬」、「ビフィズス菌が含まれた整腸剤」などを処方します。薬は副作用が発生することもあるので、「下痢の原因」や「患者さんが元から服用している薬」「既往歴」に合わせて処方します。
市販薬を飲む時でも、必ず添付されている説明書を読みましょう。もし「尿が出にくい」「口が渇く」などの副作用がみられたら、当院までご相談ください。

下痢を予防するには生活習慣の改善を

過度なストレスや多忙、睡眠不足が続くと自律神経のバランスが乱れやすくなり、腸にストレスがかかってしまい下痢になりやすいです。適度な運動、睡眠、休養、栄養をしっかり取りましょう。
お酒やコーヒー、冷たい料理の過剰摂取を避けて、バランスの良い食事を心がけましょう。

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