便潜血・血便

以下の症状に該当する方は要注意です!

  • 便潜血検査で陽性と診断された
  • 便潜血検査で陽性と診断されたがまだ大腸の精密検査を受けていない
  • 排便後に拭いた紙に血がついている
  • 排便後に便器が真っ赤になっていた事がある
  • 血液検査で貧血があると言われた(貧血症状を感じている)
  • 血便が出た事がある
  • 便が墨汁のように真っ黒くなった(タール便)

便潜血検査と血便

血便には見た目ではっきりわかる肉眼的血便だけでなく、見た目ではわからないほど微量の血液が便に含まれている状態も含まれます。この見た目ではわからないほど微量の血液が便に含まれていないかを調べるのが便潜血検査です。

便潜血検査と大腸がん

便潜血検査は一般的な健康診断などで、大腸がん発見のための検診として行われています。ただし、便潜血検査は便に血液が含まれているかどうかを調べるだけの検査であり、陽性になった場合も大腸がん以外の原因で血液が便に混ざっていることも多いです。また、大腸がんは出血を起こさないこともありますので、便潜血検査が陰性でも進行した大腸がんが見逃されてしまっていることも珍しくありません。 個人の大腸がん確定診断に便潜血検査は役立ちませんが、大きな数の集団としてみれば大腸がん発見に役立つ検査であり、陽性になったら精密検査を受けることで大腸がん発見に導くためのものです。

便潜血陽性の実際

1000人の方が便潜血検査を受けると、約50人が陽性になります。その50人が精密検査として大腸カメラ検査を受けた場合、大腸がんがあることがわかるのは1~2人です。便潜血検査陽性で精密検査として大腸カメラ検査を受け、大腸がんが発見された1~2人は、自覚症状がない段階でしたら比較的早期であり、お仕事や生活に大きな支障を与えることなく完治も望めます。

便潜血検査陽性で受ける2次検査について

便潜血検査陽性は、便に血液が混じっているということです。便に血が混じる病気には、様々なものがありますので、2次検査として精密検査を受けて、原因を見極める必要があります。

造影剤を使ったX線検査

2次検査で造影剤を使ったX線検査を行うこともありますが、この検査では組織採取ができないため確定診断には別途、大腸カメラ検査を受ける必要があります。またこの検査では病変の大きさや位置によって発見が困難なケースも多く、被ばくのリスクもあります。

大腸カメラ検査

大腸カメラ検査では、大腸全域の粘膜をすみずみまで観察できます。特殊光による観察、拡大、画像強調表示などによって微細な病変を素早く発見することもできます。大腸カメラ検査は、早期の大腸がんや前がん病変の大腸ポリープ発見に有効な唯一の検査です。また、組織採取ができるため病理検査を行って確定診断ができます。さらに、前がん病変の大腸ポリープを発見した場合はその場で切除できるため将来の大腸がん予防にもなります。

苦痛や負担を最小限に抑えた大腸カメラ検査

大腸カメラ検査は医師の技量や使用する内視鏡システムによって、検査精度・検査時間、そして不快感も大きく左右されてしまいます。当院では、高度医療機関で多数の内視鏡検査や内視鏡治療に携わってきた医師が、そのスキルを十分に生かせる最新鋭の内視鏡システムを使って検査を行っています。また、軽い鎮静剤を使ってうとうとしている間に検査を行う痛みや辛さをほとんど感じない大腸カメラ検査も行っていますので、苦手意識のある方も安心してご来院ください。

血便や下血を引き起こす病気

痔は肛門周辺で発症します。痔を細かく分類すると痔核(イボ痔)・裂肛(切れ痔)・痔ろ う(あな痔)の3つに分けられます。痔を発症する事で肛門から出血を引き起こします。痔 の場合は鮮便血(一目で血液の混入がわかるくらい赤い血液を含む便)がでます。

大腸がん

大腸がんの代表的な初期症状の一つに出血が挙げられます。大腸がんにより大腸粘膜上に潰 瘍ができる事で出血します。便に血が付着していると一目で分かる場合とそうでないと場合 もあります。

大腸ポリープ

大腸粘膜上に発生するイボのように隆起したものを大腸ポリープと言います。大腸ポリープ は腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープに分けられます。ポリープが発生していると便が 通過する際に擦れ、ポリープから出血を引き起こします。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は大腸内で炎症を起こし、苺ジャムのような粘膜が付着した便(粘血便)や長期 間続く下痢などの症状を引き起こします。

便潜血検査陰性の方へ

注意いただきたいのは、早期大腸がんの約半分と進行大腸がんの約1割は便潜血検査で陰性になってしまうとされていることです。さらに、将来大腸がん化する可能性が高い前がん病変の大腸ポリープの場合、ほとんどが便潜血検査では陰性になってしまうとされています。そのため陰性という結果が出た場合も油断はできません。大腸がんや前がん病変の大腸ポリープ早期発見のためには、便潜血検査が陰性で自覚症状がなくても発症リスクが上昇しはじめる40歳を超えたら大腸カメラ検査を受けることが重要です。前がん病変の大腸ポリープを検査中に発見した場合には、その場で切除が可能であり、これで将来の大腸がん予防につながります。

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